突っ張りと張り手の違い

琴冠佑佐渡ヶ嶽部屋―今場所限りで引退)と勢(伊勢ノ海部屋)の件で盛り上がっているところがありますが、「突っ張り」と「張り手」の違いって、意外と知られていないような気がするので、簡単に解説しておきます。

  • 突っ張り。自分が前に出る力を相手に伝えて、その相手を押すための技。手を前に押し出すようにしながら右手と左手を交互に回転させながら相手を後退させ、土俵の外に押し出すことが目的。相手と接触するところは手のひらではあるものの、腰の構えと足の運びが伴わないと十分な効果を発揮せず、場合によっては相手のイナシに屈してしまうこともある。
  • 張り手。相手にダメージを与えるための技。まともに決まると、相手は脳震盪を起こし、その場に崩れ落ちてしまうことがある。狙う場所は「あご」もしくは「こめかみ」のように顔の側面であることが多い。すなわち、縦方向に「押す」のではなく、横方向に「殴る」的な要素が多い。ボクシングで言うとフックに相当する。従って一発勝負的な要素が強く、決まらない場合には双方がムキになって張り手合戦になってしまうことすらある。「押す」という相撲の基本からはかけ離れた技なだけに、やり過ぎると非難を浴びてしまう。立会いの張り手に長けていた力士としては、旭道山がいる。逆に、この技をキレイに食ってしまう力士は、「アゴが上がっている」などという苦言を浴びることもある(大乃国久島海など)。

琴冠佑

実は関取時代の琴冠佑関とツーショット写真を撮ったことがあります。が、どこかにしまったらしく、すぐには出てきません・・・

追記:2008/11/23

突っ張り・張り手満載のYouTubeビデオを発見