アマ横綱 栂木崇行(とがのきたかゆき)

マチュア相撲の第53回全日本選手権は12日、東京・両国国技館で、社会人、学生、高校生計64人が参加して行われ、29歳の栂木(とがのき)崇行(日本通運)が初優勝した。社会人のアマ横綱は昨年の加藤耕市(静岡・焼津水産高教)に続き2年連続。

 決勝戦5試合を全て左からの小手投げで征した.取り口は貴ノ浪に似ていると言えなくもない.ただし,立ち合いは腰を落として右から踏み込み,左を絞りつつ少し脇を空けて相手の右を誘い込むという感じ.
 決勝戦の森友樹(日大3年)戦では,土俵際まで追い込まれる場面もあったが,左からすくいながら体を入れ替えると同時に左上手を深く引いて相手の右を呼び込み,そこから左を小手に巻いての小手投げを見事に決めた.体を入れ替える場面では,高見盛ばりの器用さ?を見せた.
 相撲の取り口自体は,普通の力士のお手本にはならないと思うが,29歳になって初めて栄冠をつかみ取ったその努力は,大いに見習いたい.