琴欧洲初優勝

やはり立合いの踏み込みが勝負を分けた。13日目の安美錦戦は左で前褌をつかんだものの足が一歩も前に出ていなかったために、安美錦の押しに屈してしまった。元貴ノ浪音羽山親方のコメントは「前回しを取りに行こうとしちゃ、ダメなんですよ。当たって行くという意識で行かないと」という厳しいもの。
翌14日目の安馬戦は、前日とは打って変わった鋭い立合い。右から張り差して両差しになるとそのまま前に出た。足も前に出ている。安馬が苦し紛れの首投げを放ったが、腰を下ろして落ち着いて対処して正面に送り倒した。
実力を出せば琴欧洲が有利なことは明らかだった。ただ、大事な一番でその力を出せるかどうかが琴欧洲の今までの欠点。どうやらそれを克服しつつあることは確かなようだ。来場所も一つずつ勝ち星を積み重ねることで、強い琴欧洲を見せて欲しい。