力士が使う廻しの種類

一口に「まわし」と言っても種類があり、決して一種類ではありません。力士達の夢は、稽古場での白い稽古廻しと、本場所で化粧まわしを締めた土俵入りです。

稽古まわし

木綿でできた固い素材の廻しで、色は白、もしくは黒色。手触りはテント布のような感触。縦に四つに折りたたんで細長くして使用する。購入直後は非常に固いので、普段の稽古で良く使い込んで柔らかくする。

白い廻しは、十両以上の関取が稽古の際に着用することができる。本場所の土俵で締めるのは、稽古廻しではなく「締込み(しめこみ)」である。一方の黒廻しは、幕下以下の力士が着用する。稽古場と本場所の両方で用いられる。

手入れは、泥を良く落として天日でしっかりと干す。廻しは洗わないと言われてきたが、最近ではそうでもない。アスファルト、もしくはコンクリートの上に伸ばして、ホースで水を撒きながらデッキブラシ等で汚れを落として天日で良く乾かす。

◆「まわしの締め方」に関して id:omochikun:20040831#p1
◆ まわしは洗いません id:omochikun:20040904:p2
◆ まわしを締める機会 id:omochikun:20040901 

締込み(しめこみ)

十両以上の関取が本場所の土俵で締める廻しのこと。絹の素材を用いた繻子織相撲協会の規定によると、色は黒もしくは紺に限定されているが、実際には金・銀・赤・黄色・青・緑などのカラフルなものも使われている。

化粧まわし

十両以上の関取が土俵入りの際に用いる廻しのこと。前に垂らす部分が大きく、様々な意匠をこらしたデザインになっている。また横綱土俵入りの際にも用いられる。横綱太刀持ち・露払いを従えるので、通常は3セットの化粧まわしとなることが多い。実際の取り組みでは用いられない。
稽古廻しや締込みは、肌に直接着けるが、化粧まわしの下にはふんどしを着用する。

これ↓は新十両を決めた初代貴ノ花が、師匠(双子山親方=実の兄)の前で出来上がった化粧廻しをしめているところ。

「まわし」と「ふんどし」の境目

相撲を取るために素肌に直接着けるのが「まわし」。一方の「ふんどし」は、あくまでも男性用の下着。ただ、子供用のマワシぐらいになると、なんとなく境目があいまいになってきます。まぁ、あんまり深く気にしないようにするのが良いかも。

Rikishi

Rikishi

これはid:omochikun:20060304で紹介した本。力士の顔ばかり集めています。

ふんどし

日本独自の男性用下着のこと。こちらにも色々と種類がある(詳細割愛)。相撲の廻しのことを「ふんどし」と呼ぶこともある(例:他人のふんどしで相撲を取る)。
◆クウネルによる「ふんどし」の締め方: id:omochikun:20050614
 クウネルのバックナンバーは楽天あたりで時々出物があるもよう。
◆ ネクタイのまわし:id:omochikun:20080305 …第418回 C級さらりーまん講座(山科けいすけ)より