青森・秋田・岩手の力士達

安美錦の記事にコメントした通り、青森県横綱を6人も輩出*1した相撲王国として知られている。残念ながら現役の横綱はいないが、それでも今場所の番付を見ると、小結の安美錦をはじめ、若の里武州山、将司、高見盛の5人が幕内で、岩木山海鵬という幕内を経験した2人の力士が十両で活躍している。更に幕下五枚目以内にも、安壮富士、十文字、寶智山が控えている。こう見ると、上位力士の10人に一人が青森県出身という感じになっている。
その青森県のお隣の秋田・岩手が、青森に対抗する相撲王国なのかというと、実はそうではない。38代横綱の照国を輩出した秋田県の現役関取は幕内力士の豪風一人である。この豪風の前の関取が巴富士*2であったことを考えると、10年弱の間、秋田県出身の関取が空位であったことがわかる。豪風に続けと、華王錦(かおうにしき)が幕下五枚目で次の関取の座を狙っている(冬場所は初日から3連勝)ものの、現役力士は豪風と華王錦を入れても、たった3名しかいない。
一方の岩手県。今場所は四ツ車(伊勢ノ海部屋)が関取に昇進して話題を提供しているが、現役力士は四ツ車を入れて5名。その中の上位3名が伊勢ノ海部屋所属である(三段目西13枚目の勝盛と同63枚目の熊谷)。これは先代の伊勢ノ海親方が岩手県出身であることが多少は関係しているかもしれない。栃乃花の引退以来、幕内力士が空位となっている岩手県としては、新十両の四ツ車への期待が大きい。
今の四ツ車大八は岩手県出身であるが、歴代の四ツ車大八の中には秋田県出身者もいる。岩手と秋田の期待を受けた四ツ車が、早く幕内で活躍することを心待ちにしている。

*1:鏡里若乃花(初代)、栃ノ海若乃花(二代目)、隆の里旭富士

*2:平成3年から5年にかけて幕内で活躍。