ナンバ歩きと摺り足

最近,と言ってもちょっと前から,「ナンバ歩き」とか「ナンバ走り」という言葉を目にすることが多くなってきました.古武術系の身体の動かし方らしいという所まではなんとなく分かってがいたのですが,特に気にも留めていませんでした.
が,実はこれって,相撲の摺り足と同じようなことを言っていたんですね.いわゆる,右手と右足,あるいは左手と左足とを同時に前に出して歩む方法のこと.現代人の歩き方とは異なっていますが,明治の頃までの日本人は普通にこのような歩き方をしていたようです.
で,相撲の摺り足ですが,これって初心者が試しにやってみると,身体がぶれて目も当てられないほどみっともない歩き方になってしまいます.まぁ,普段の手足の動きとは全然逆の動きをするのですから仕方がありません.ところが稽古を積むに従って,重心のブレがほとんどなくなり,非常に滑らかな動きをするようになります.このような動き方を習得することで,大地にがっしりと根を生やして強靭な力を発揮することができるのでしょう.

写真は、3次元カメラに向かってすり足の稽古を披露する力士達の姿。伊勢ノ海部屋後援会の稽古総見でのひとコマです。

それっぽい情報をまとめているサイトへのリンクと,書物へのリンクを張っておきます.
◆リンク: ナンバ歩きナンバ歩き(走り)は日本人の伝統的身振りナンバ歩き*野口体操

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