取り直し後の不戦敗・・・五城楼の不運

十両五城楼が物言いのついた一番にて右ひざを負傷。左から突き落としながら、自分で俵の上にニードロップしたようなものですからたまりません。車椅子に乗せられて花道の奥へ引き上げてしまいました。物言い協議の結果は取り直し。しかし、五城楼は怪我のため相撲が取れませんので、結局は不戦敗となってしまいました。

こういう時ってすぐに不戦敗にするのではなく、二番後取り直しとかってできないんでしょうかね?今回の場合は二番後に回しても結果は変わらなかったかもしれませんが、10分前後時間をおいて必要に応じて医師の診断を受けるようなことはできないものでしょうか。一時的なシビレなどで力が出せないような場合には、ある程度の時間をおいて、再度対戦することでより白熱した取り組みが見れるようになるかもしれません。

ところで新聞紙上では、取り直しの一番が不戦決着となったのは、1948年(昭和23年)秋場所力道山−前田山戦以来の史上2度目と報道されていますが、事実上の不戦みたいな勝負であれば、この10年以内の間に少なくとも一度起こっています。
あいまいなのですが、確か出島・玉春日戦にてそのようなことがあったように記憶しています。最初の取り組みがきわどい勝負で取り直しとなったのですが、その一番にて玉春日が足首を負傷して歩くのもやっとという状態になりました。それでも取り直し後の一番を勤めたのですが、相撲にはなりません。立ち上がって、ただ押されるがままに土俵の外にでて勝負がつきました。対戦相手の出島も仕切りの段階から相手の状態に気がついており、とても全力で相撲をとるわけにはいきませんでした。
こういう痛々しい相撲を極力排除し、怪我を更に悪化させるリスクを極力排除するためにも、片方が負傷した場合の取り直しでは、すぐに不戦を決めるのではなく、やや間を置いて勝負を再開するような仕組みを作った方が良いのではないでしょうか。その上で不戦になるのであれば、致し方ありません。