大相撲初場所十日目

魁皇,とうとう休場.ここ数日の相撲は見ていられないほど悪い状態だったので,休場もやむなしか.
黒海の右腕を使った叩きが,見事露鵬の首根っ子に決まり,仕切り線上に露鵬がバッタリと落ちる.決まり手は素首落とし.しかし立ち合い直後の黒海の両手の形,カニがハサミをかざしている様子にそっくりに見える.当然,脇はがら空き.ガンガンと前に出る圧力が効いていた頃には気にならなかったが,最近では馬鹿力も通用しなくなり,逆に欠点ばかりが目立ってきた.
琴欧州は,2メートルを超える背の高さをまったく感じさせない.千代大海を捕まえて上手投げで下す.
朝青龍白鵬はともに白星.この二人は,相撲で鍛え揚げたというよりも,本来持っている身体能力を,うまい具合に発揮して勝っているという感じ.稽古で鍛えて作り上げた相撲の力で勝っているという感じがしない.10日目の朝青龍は,内無双という相撲の技で勝ったにもかかわらず,そんな感想をおぼえてしまう.
鍛え揚げた相撲の力という意味では,千代大海若の里が近いかな.
朝青龍が星二つの差をつけているので,優勝争いという点では,少々興醒めかもしれない.